むし歯や歯周病はある程度進行してしまうと、いくら治療をしても元の健康な”むし歯や歯周病になる前の状態”に戻ることはありません。もちろん、歯を失ってしまえば再びはえてくることもありません。
歯を失ってしまうとお食事や日常での会話などに不自由を感じたり、見た目が気になって大きな口を開けて笑えないなど精神的に影響が出る場合もあります。また、歯を失わなくても歯に痛みなどがあれば楽しくお食事することができないと感じたりもするでしょう。
こういったQOL(Quality of Life:生活の質)の低下をまねかないためにも、むし歯や歯周病をしっかりと予防しましょう。
むし歯や歯周病を予防するために最も重要なのは、プラークコントロールをしっかりとおこなうことです。プラークコントロールとは「プラークを除去し、再び付着するのを防ぐことによってお口の中をきれいに保つこと」で、おうちでおこなう『セルフケア』と歯科医院でおこなう『プロフェッショナルケア』とがあります。
予防歯科ではプロフェッショナルケアをおこなうことだけでなく、日々のセルフケアの手助けができるようアドバイスをしていくことにも力を入れています。
むし歯や歯周病の予防で最も重要なのは
日々のセルフケアによるプラークコントロールです
「歯ブラシの仕方なんて今さら教わることではないのではないか?」
そう思われる方も多いかもしれません。しかし、歯の表面にはプラークが意外に残っているものです。
日々のセルフケアはプラークコントロールの要です。セルフケアでのプラークコントロールがしっかりとおこなえるように、今の自分に合った歯ブラシの選び方や使い方、デンタルフロスや歯間ブラシなどの使い方などをあらためて確認していきましょう。
クリーニングで歯の表面をツルツルに!
フッ素を塗ってむし歯予防
むし歯予防としてご希望の方にはフッ化物(フッ素)の歯面への塗布もおこなっています。
フッ化物の効果として、
・ 歯の再石灰化の促進(初期むし歯の修復)
・ 歯質の耐酸性の向上(むし歯原因菌の出す酸に溶けにくくなる)
・ プラーク中の細菌の酸産生抑制(むし歯原因菌が酸を出しにくくする)
があげられ、特に幼児・小児期の虫歯予防に効果的とされていますが、もちろん大人の方にも有効です。
定期的に塗布しないと効果が得られにくいため、年に2~6回、お口の中の状況に合わせて間隔を決めておこなうと良いでしょう。
フッ化物は生えて間もない歯に対して特に効果を発揮するため、乳前歯上下4本ずつ、計8本が生えた頃(1歳頃)からはじめると良いといわれています。
予防には定期的なメインテナンスが欠かせません
ブラッシングが上手な方でも、100%プラークを除去することはなかなかできず、磨き残したプラークや歯石は再び歯に蓄積してしまいます。そのため歯科医院で定期的にクリーニングをおこない、同時にむし歯や歯周病になっていないかをしっかりとチェックすることをおすすめします。
メインテナンスの間隔や内容はお口の中の状況によって変わります。当院ではそれぞれの患者さんに合ったメインテナンスをおこなっていきます。